【LGBT映画感想】クライング・ゲーム〜人間の性(セイ)と性(サガ)とは〜

最近、休みの日はアニメを見るか映画をみるかが主な過ごし方になっている。
たまにどこか遊びに行くこともあるけど。

 

今日は「クライング・ゲーム」を観た。

 

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以前、観たい映画をリストアップしていて
なぜ自分がこの映画を観たいと思ったのかが全く思い出せなかった。

 

大抵自分が「あとで見る」候補にする作品といえば決まっている。

 

①暗く重い内容のもの
②シュール、ブラックコメディ
③サスペンス、ホラー
④LGBT関連
⑤その他、直感

 

こうして見ると自分がいかに男女間の恋愛ものやハートフルなものに
全く興味を示さないことがわかるな…。

嫌いなわけではないが積極的に観ようとも思わない。
なにせ中島哲也監督の作品のような、狂った世界観が大好きな人間なのだから。

 

 

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そのため、「クライング・ゲーム」を見たい映画リストの候補にいれていたということは、
ほぼ予測がついていた。

 

それでもどうしても気になってしまい調べたところ、
やはり上の①〜⑤つのうちどれかであることがわかった。

 

わからないほうが良かったかも?とも思ったが、
以前一回観た気がするし、
観ているうちになんとなく思い出したし、
結果としてあまり変わらなかったと思う。

 

ということで、感想を。

 

あらすじが気になるなら他のサイトにも書かれていると思うし、
あまりダラダラ書きたくないので箇条書きでポイントだけ。

 

 

※以下ネタバレ含む。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・昔の映画だから楽しく飽きずに観れるかどうかわからなかったが、
ストーリー自体はわかりやすいので意外とあっさり観られた。
むしろ短く感じられた。

 

・その分、人が死ぬ描写を観ても特に何も感じなかった。

 

・この映画の伏線でもある、「サソリとカエル」の話はこの映画抜きにしても良い素材。

人間の性(サガ)を嘲笑しているのだね。

どういう時に自分は自分の「性(サガ)」を見出すのだろう。

 

・ディルさんは女の姿でも男の姿でも美しい。

 

・他の客がディルを「レズビアンの男役!」というように罵倒するようなセリフが合ったが
その言葉を発した人物がゲイだとわかったら、なんとなく納得した。

 

・お互い悪気はなかったとはいえ、関係を持ったのが男だと知って吐かれたら、

当事者としてさすがに傷つくわー。

 

・ディルとの「男対女」→「男対男」→「人間対人間」という関係性への推移の描写が
とても面白いと思った。

 

・最後ファーガスが、ディルの身代わりになったところ。
罪悪感もあるのだろうけど惚れた女に対してそこまでするのか…。
でも、その優しさが彼の「性(サガ)」でなのかもしれない。
その「性(サガ)」に逆らえない運命なのだと、彼を皮肉っているかのようなラストだった。

 

・ジョディがその優しさにつけ込んで好意的に接するフリをし、
逃げることを考えているのかと思ってた。
(しかし敵に自分の身内を教えるわけないのでそれはあり得ない。)

 

 

役者さんがディル役となったのは無名だからこそなんだろうな。

 

日本では無名の当事者を扱ったといえば
以前観た性同一性障害のドラマを思い出す。

 

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これも冒頭で主人公の女の子がMTFであることを象徴するような場面が出てくるけど、
当事者としては気持ちがわかるぶん辛くもある。

 

中村中さんと雛形あきこさんの演技がとても良い。

 

特に雛形さんは主人公のMTFちゃんを罵倒する悪役だったけど、
LGBTに関する問題をわかっているからこそ、あのような演技ができるのだと思われる。
そのセリフは当事者にとっては辛くも感じるが、非常に素晴らしかったことを覚えている。

 

もちろん役者さん本人じゃないから推測に過ぎないが、

この手の映画に関わる方は大抵当事者か理解しようと思っている方がほとんどだろうから、

出演する役者さんに対するイメージも自然とアップするものだ。

(もちろん「役に対する熱意が感じられるかどうか」にかかってはいるが。)

 

 

さて、話を「クライング・ゲーム」に戻すと、
この自体はイギリス映画だからあまり関係ない、
日本人ならではの発想なんだけど、
「性(sexとしての)」と「性(サガとしての)」が掛けられているところが
個人的に面白いと思った。

 

 

そういえば僕自身も昔、人間の「性(セイ)」と「性(サガ)」をテーマにして
ブログを書いていたことを思い出す。

 

↑以前のブログで使っていたアイコン。

 

でも、このブログになってから、

以前のものと比べて、内容が全く変わったかと思ったら

そうでもない。

 

 

 

人間のセクシュアリティな部分とブラックな部分に目を向けることで

人間がより面白く映るからだ。

 

 

これからもLGBTに関することや性別を問わず
あとはただ皆さんに笑って元気になってほしいだけの
くだらない内容の漫画を上げていきたいと思う。

 

 

他のLGBT映画もたくさん観たいし、
それ以外にも自分が面白いと思った映画やアニメもどんどん紹介するので
どうぞお楽しみいただければ、と思う。

 

 

 

…結局クライング・ゲームのことについて大して書いてなくて申し訳ない。

 

でもイギリスらしい皮肉の効いた、後味悪くもさっぱりした映画で個人的には好きかな。

イギリス映画自体あまり観ない気がするけど、自分の嗜好に合いそうだからジャンル問わず他のものも観てみたい!

ゲイ云々以上に、自分にとって新たな収穫が期待できそうな映画だった。